出会いに導かれオイリュトミーの先生になったお話
〜神野久美子さん


様々な人との出会いに導かれオイリュトミーの先生になりドイツで働くことに辿り着いた神野久美子さんのお話しを伺いました。人は人生設計をするときに目標を立てて達成していくことが多いと思いますが、彼女のお話を聞いていると逆なのですが全てがスムーズで大きな流れに身を任せているように感じます。出会いから刺激やきっかけをもらい良くない経験からも学び次のステップに繋げられています。
もともと半年間の予定で語学研修の為に渡独したそうですが、シュタイナー学校で必修科目である身体表現のオイリュトミーをデュッセルドルフのシュタイナー学校で定年まで教え、今はほかの学校で現場に立たれています。

フライブルクでのホームステイ先の家族との出会いそして日本人との出会い、大学入学
フライブルクでの語学研修中、慈悲深いプロテスタントのご家庭にホームステイしたそうです。その家族との出会いは大きく、人に対する接し方や生き方に影響を受けたそうです。当時のフライブルクは日本人がとても少なかったそうですが、ある日交差点の向こう側にいる日本人に気づき、話し始めたそうです。彼女はシュタイナー教育に詳しく、シュタイナー教育に関する本(「ミュンヘンの小学生」子安美智子著)を貸してくれ、そこで初めてシュタイナーを知ることになります。そのお友達がビッテンにあるシュタイナー大学入学の為の面接に行くときについていったところ、隣に座っていた神野さんまでドイツ語ができるならと入学が認められたそうです。そこでオイリュトミーを学ばれます。お友達は音楽セラピーを学ぶ為に、他の学校に移ることになり、一人になってしまったので、どうしてもドイツ語を使う状況に置かれたと言います。自分にとって一見不利かと思われる状況も受け入れ、それをばねにして次に進んでいかれます。

フライブルク研修先での先生との出会い
無事大学のオイリュトミーの勉強を終えた神野さんは元のホームステイ先の家族がいるフライブルクにあるシュタイナー学校に研修先を選びます。そこで素晴らしいオイリュトミーの先生に出会われます。先生によってオイリュトミーの教え方は違うそうですが、出会われたその先生は、頭で理解させるのでなく、リズムから入っていくよう色んな音楽を取り入れ、動きを通して喜びを教える方だったそうです。彼女の教え方や彼女が指導した生徒達の公演を見てあのように教えたいと強く思ったそうです。このように導いてくれるような先生との出会いがその後も色々あったといいます。

テュービンゲン実習先での先生との出会い
研修を終えた神野さんは一度日本に帰国し、日本のシュタイナー教育現場を見て回られますが、再びドイツに戻られることを決意されます。偶然にもスイス、テュービンゲンで教えている先生に再会し、テュービンゲンに誘われます。そこでまた人生を変えるような素晴らしい先生に出会い、一年間、彼女のもとで実習生として働かれます。そこでは地に足をつけて授業することを学んだそうです。ある日先生が病気になった為に神野先生が生徒の成績表を彼女の自宅まで取りに行ったことがあるそうです。その成績表をコピーし、この生徒にはこのような表現でこのように評価するのかと彼女の成績表から学んだそうです。デュッセルドルフで初めて教えられた時、その成績表が大変役に立ったそうで今も大切に保管されているそうです。

ブラウンシュバイクでの辛い経験
一年間の実習後、仕事の為に労働許可書が必要だと思っていた矢先、アメリカ人のオイリュトミーの先生がいることを知り、先生という職業はビザがなくても働けるということを知ります。そこでブラウンシュバイグで教え始めます。残念なことに新任担当の先生が彼女の教え方を押し付けるので自由に教えられなかったそうです。それが理由でその学校をお辞めになり、他にも候補はあったそうですが、他にオイリュトミーの先生がいないイコール自分の教えたい事が生徒に教えられるという理由でデュッセルドルフを選ばれたそうです。ブラウンシュバイクの経験があったからこそデュッセルドルフに来ることができたとおっしゃっています。辛い経験からも学び次のステップに繋げられています。

デュッセルドルフでの勤務
デュッセルドルフは土地柄、芸術家が多く、先生方もシュタイナー教育を基にしながらも色々実験的な試みをされる方もあり少し戸惑うこともあったそうです。でも成績表を書く時ドイツ語のサポートを自ら買って出てくれる先生、オイリュトミーの授業を気にかけてに来てくれる先生方もあって、神野さんが教えたいオイリュトミーを思うように教えることができたそうです。

お話を聞いて
自分の使命と感じられる職業に出会い自己実現できたのは流れに身を任せながらも自分の内にある心の声を大切にされていたからではないかと思います。
与えられた環境を受け入れ、感謝しながら、出会いから学べることに敏感に反応できるように毎日を少しでも丁寧に生活することで転機やチャンスを得ることができるのかもしれないと思いました。