イースター ※2000年作成

イースター(復活祭)はドイツ語でOstern。
キリスト教独特の習慣であるため日本人にはまだなじみの薄い行事ですが、キリスト教信者にとっては十字架にかけられたイエスキリストが復活をした日ということで、クリスマス同様1年で最も重要な祝日です。
ドイツにおけるイースターには、ひとつには先にあげたキリスト教の宗教的な行事、もうひとつにはゲルマン民族に古くから伝わる「春の訪れを祝う祭り」という民衆的行事から由来したものと二つの意味あいがあります。イースターの際ペイントした卵やうさぎの置物を飾ったりするのは後者の春祭りを祝う為のものです。
またイースターの日にちは、春分の日以降最初の満月のあとの日曜日と決められているため毎年変わります。
なお、家庭でのイースターのデコレーションは原則的には当日の朝行うものです。というのもその2日前の聖金曜日(Karfreitag)とは、宗教的にはイエスキリストの死を悲しみ、華やかな事を避けて静かに過ごす日とされているからです。しかし今日ではイースターを季節の行事としてとらえ、一般の家庭でも早くから室内の装飾を施すようになってきました。
皆さんもそれぞれのセンスで部屋の中を春らしくアレンジしてみてはいかがでしょうか。

”Frohe Ostern!!”


手作り卵用の道具あれこれ

うさぎ
料理
菓子

この人紹介;Frau Kirchenbücher 「イースターの飾り見せてください」

 


イースターの季節が近づくと店のショーウィンドウやデパートの特設売り場にはデコレーションの品々が綺麗に並べられますが、その中でも目をひくのはイースターならではの゛卵゛でしょう。
卵には大きく分けて二種類あります。ひとつは色付けをして室内や庭のあちこちに隠し子供がそれを探すゲームに使うゆで卵、もうひとつは生卵の中身を出して殻に絵付けをして新芽のついた枝などに吊るして室内に飾るものです。
現在では市販のものも種々出回っていますが、やはり家庭で手作りするのが伝統的でその為の道具も数多く売られています。

手作り卵用の道具あれこれ
Eierfarbe(染料):ゆで卵を作る際に水又は湯に溶かして着色してしまう。
Farbestebchen(スティック状の染料):ゆでたての卵に色付けしたり絵を描いたりする。
その他に最近では自然派ブームで、たまねぎの皮やあかね草、ゼニアオイなどを使った草木染めなどもあります。絵付けは普通の絵の具も使われていますが、デパート等イースター特設会場へ行けば専用の絵の具が売られています。
卵の中身を出す道具:卵の上下に穴をあける針と、その穴を通して中身を押し出すスポイトがセットになっているもの。これがあれば生卵の中身を殻を壊さず上手に取り出せます。
卵型グッズには他にも木製のものや、色とりどり大小さまざまなろうそくなどもあり、ちょっとしたお部屋のインテリアに最適です。


春になると真っ先に花を咲かせる水仙はその色合いからもイースターのイメージにぴったりでドイツ語でOsternglockenすなわち「イースターの鐘」と名づけられています。その鐘を思わせる花の形が好まれているのでしょう。
その他にもこの季節に花屋に並ぶさくら草やチューリップ、ヒヤシンスなども好んでイースター用のフラワーアレンジメントに使われています。

うさぎ
春先にたくさんの子供を産むうさぎは、子孫繁栄のシンボルと言われていてやはり新しい生命の誕生を思わせる卵と結びつけられました。イースター当日の朝に「うさぎが隠した卵を探すゲーム」をする由来です。

 

 

 

料理
イースター当日の朝は子供が庭や部屋のあちこちから探し出したゆで卵をはじめ、卵料理を中心に楽しまれます。夕食のメインディッシュには羊肉やうさぎ肉の料理が一般的ですが、両方とも苦手とおっしゃる方には、羊型やうさぎ型をしたミートローフ用の型も売られています。羊はキリスト教の「子羊の生贄」から由来したものです。

菓子
卵やうさぎ型のチョコレートはスーパーに山と積み上げられていますし、絵付けをする為に取り出した卵の中身でケーキやクッキーを焼くのもいいですね。イースター用にうさぎや羊などのケーキ型、クッキー型も出回っています。

Frau Kirchenbücher
 「イースターの飾り見せてください」

KirchenbücherさんはSauerland(ザウワーラント)にあるSiegen(ジーゲン)市にお住まいです。もともと手工芸の好きな彼女ですが特に30年以上作りつづけている「イースターの卵」は、例年フランクフルトとジーゲンで展覧会に出品しているほどすばらしいものです。今年もすでに200個以上作ったそうですが、毎年半分以上は友人や関係者にプレゼントしてしまうそうです。
彼女の作品の絵柄は、ドイツの伝統的な柄からアイデアを得たものです。「毎年の流行は確かにあるし、又その中から得るものもある。が、私は私の美しいと信ずるもの、感じるものを創作したい」とKirchenbücherさん。
アンティークの家具を時間をかけて修理して磨き、実生活で上手に活用するなど古き良きドイツの伝統を大切にしながらも、しかし決して保守的で古くさくならないところが彼女の作品の人気の理由でしょう。

 そんな彼女からのアドバイス;
〈作るとき〉
 ・卵は中身をよく出して洗剤で洗い完全に油気を抜くこと。
 ・色付けにワックスを使うと一番色合いが美しい。
 ・なにより決してあせらず、豊かな気持ちで作業すること。
〈飾るとき〉
 ・色の系統をそろえること。
 ・自然のもの(たとえば、小麦、乾燥させたラベンダー、苔、わら、石など)を上手に使うこと。

Kirchenbuecher家のイースターに欠かせないもの。それは、卵とうさぎだけでなく、水仙やレンギョウなどの花、羊やうさぎの型で焼くケーキ、砂糖の入った甘いパンなどです。イースターの朝、家族で囲む食卓で色つけしたゆで卵の先をぶつけ合い、勝負して”その年のツキ”を占うのも楽しみのひとつだそうです。