ドイツ・ワーキングホリデー

               
デュッセルドルフ散策                 3

                                                          最終更新日 2010/12/02

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ドイツ・ワーキングホリデー2002年現在

若者に海外での生活を体験して視野を広げてもらうことを目的に定められた“ワーキングホリデー制度”がドイツにも適用されました。
2000年に協定が結ばれ、同年12月にスタート、昨年(2001年)は444人の日本の若者がこの制度を利用して渡独しました。今回ラインブリュッケでは実際にこの制度を利用し、現在ドイツで生活をしている5人をお招きして、座談会形式でお話を伺いました。制度の紹介と実体験の話から「ワーキングホリデーって何だろう?」「上手な利用方法は?」「現代の若者の考え方は?」などなど感じとっていただけるのでは・・・。
また、これからこの制度を利用しようと考えている方への参考になれば、編集部としてもうれしい限りです。

 

ドイツ・ワーキングホリデーとは?

座談会

 

 

ワーキングホリデーとは?

ワーキングホリデーとは、最長で1年の外国での休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために限られた期間の就労を認めるという特別な制度です。
現在日本は、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリスと協定を結んでいます。
この制度は二国間の協定に基づいて行われるものなので、適用国間の事情によって多少の相違があります。またドイツとの間ではこの制度が結ばれ日が浅いため、協定の解釈もまだ確立していない部分もあるようです。

【ドイツでのワーキングホリデー】

●参加資格者 18才〜30才(ドイツ入国時)
*子供の同伴は不可
●必要書類 ・2000ユーロ以上の英文預金残高証明(本人もしくは保証人名義)
・往復航空券または予約確認書(片道航空券の場合は、復路航空券分の資金として、最低20万円の証明が必要)
・パスポート(ビザの有効期限が切れた後、さらに3ヶ月以上有効であること)
●その他 ドイツの健康保険への加入義務
●就労期間 合計90日間
(別に労働許可を取る必要はありません。仕事は途中変わってもかまいませんが、合計で90日以上は働くことができません。)

ビザの発給手続きは、東京のドイツ大使館領事部と大阪のドイツ総領事館で受け付けています。(※海外からの申請は不可)

 

座談会

参加者紹介:

Aさん: 女性(26才)
滞在期間 11ヶ月
滞在地 Haßloch(Manheim近く)
ドイツ語歴 1年
Dさん: 女性(23才)
滞在期間
滞在地 Düsseldorf
ドイツ語歴
Bさん: 男性(30才)
滞在期間 7ヶ月
滞在地 Düsseldorf
ドイツ語歴 7ヶ月
Eさん: 女性(25才)
滞在期間
滞在地 Düsseldorf
ドイツ語歴
Cさん: 女性(26才)
滞在期間
滞在地 Düsseldorf
ドイツ語歴

 

ラインブリュッケ
(以下RB):
今回は、もうすぐ1年間のワーキングホリデー期間を終えて日本に帰国されるAさんと現在、デュッセルドルフでワーキングホリデー生活されている4人の方に気軽に話し合っていただき、情報交換も含め有意義な時間を過ごせたらと思います。
では、Aさんから自己紹介をお願いします。
Aさん: メール交換で知り合ったドイツ人の友人宅に居候の形で滞在、自分以外の日本人は誰もいない環境の中、「自分探し」の1年間を過ごしました。私の場合は滞在期間中に仕事はしませんでしたので、その方面の情報はありませんが、旅行先の話などできると思います。
Bさん: 日本でパン職人として3年働いていました。昨年末、ドイツのパン造りを覚えたいと思い立ち、年齢制限も迫っていたので急いで手続きをし、2月に来独しました。妻も同意、同行してくれました。3月、4月は"Goethe Institut"でドイツ語を集中的に勉強、同時に職探しをし、5月から働いています。 僕の場合は最終的にはドイツからパン造りの技術を持ち帰り、日本でパン屋を開業したいという目的で来たので、2年間はしっかり学びたいと思っています。幸い雇い主がこの希望を理解してくれて、2年間の採用確約をしてくれたので、その書類を持って労働ビザを申請中です。
Cさん: 友人(デュッセルドルフ在住)を通して情報を収集、自分自身の「ヨーロッパの生活を体験したい」という目的地として、ここデュッセルドルフに来ました。もともと庭園に興味があり、日本では花屋で働いていました。1年間の滞在中にたくさんの庭、公園などを見て回りたいと思っています。8月中旬からはデュッセルドルフの隣町メアブッシュにある和食レストランでのバイトも見つかりました。
Dさん: 大学卒業後、ホテル勤めをしたのですが物足らず、自分はノイス(注;デュッセルドルフの西隣の街)生まれで、知り合いもいることから、ドイツをワーキングホリデー先に選び、6月1日に来独しました。1ヶ月間は"Goethe Institut"でドイツ語を学び、現在は知り合いを通じて紹介してもらったドイツ人のホストファミリー(夫婦・子供4人)で"Opa Mädchen(注;子供の面倒をみたり、家事の手伝いをする替りに宿泊用の部屋を提供してもらう)"としての生活を始めました。ヨーロッパのテーブルマナーを勉強できれば、と思っています。
Eさん: 英語の知識はあるので、全く語学経験のないドイツを選択、ゼロから学んでいこうと思っています。語学も好きで、また他国の人とコミュニケーションを取れる環境で暮らしてみたいと思い、この制度に参加しました。ドイツと日本の国民性の違いなど、体験を通して知りたいと思っています。
RB: それでは、自由に話を進めましょう。
Cさん: Aさんはなぜマンハイムの近くに滞在することを決めたんですか?
Aさん: メール友達がいたので、とりあえず住居が決まるまでのつもりで泊めてもらったのですが、そのまま居ついてしまいました。食費以外は無料で部屋を貸してもらっています。幸運でした。
RB: 皆さん住居はどのようにして探したんですか?
Bさん: 僕は"Home Company"(注;日本人が経営している不動産会社)で探しました。
Eさん: 語学学校を通してホストファミリーを紹介してもらい、その後はそのファミリーの持つ学生アパートに移りました。
Cさん: 不動産会社を通すと家賃の2ヶ月分もの手数料が必要となってしまいますよね。
住居探しが現在の課題である私としては、皆さんのお話は大変参考になります。
RB: ドイツのワーキングホリデー制度をどうやって知りましたか?
ワーキングホリデー協会かな?
Cさん: 日本ワーキングホリデー協会は渡航前の手助けはしてくれるけど、ドイツの情報はあまりありません。まだ経験者が少ないので、帰国して来た人たちからの情報待ち状態のようです。
Aさん: 私はある出版社から原稿を依頼されました。なにしろ、ドイツでの制度は始まったばかり、ワーキングホリデーの実績の長いところと違って、出版社でも情報集めに苦労しているようです。
Bさん: 僕も逆にドイツから情報を伝えて、と言われました。
RB: ところで、デュッセルドルフは日本人がとても多く、生活面でも便利さがあります。そういったことは滞在先を選ぶ際に、プラスなのでしょうか?
Cさん: 私は、その点をあまり詳しく知らないままにデュッセルドルフに決めました。こちらに来た当初はドイツ人にだけ接していこうと意気込んでいましたが、言葉の問題、知り合うきっかけがない等、実際にはそうもいきませんでした。でも、少しずつドイツ人の友人もできはじめました。
Bさん: 僕の職場にはドイツ人男性と結婚している日本人の女性が働いていますが、ひとりでも日本人がいてくれると随分楽です。彼女にとっても僕と日本語を話せることがストレス解消になっているのでは?
Aさん: 私の場合は周りに全く日本人がいないので、日本語を忘れてしまい、日本からの電話などの時、咄嗟に日本語が出なくなります。
Bさん: ドイツ語を早く覚えるという点では、そういう環境の方がいいかもしれませんね。
Eさん: 私は最初、日本人のいる所は避けたいと思っていましたが、デュッセルドルフには領事館があるので、いざという時に安心だと思い、とりあえず慣れるまではデュッセルドルフで良いと判断しました。ただし、語学学校を探す時にインターネットで調べたのですが、日本語サイトのない学校を選びました。
現在はドイツ語学校のクラスメートが友達で、ドイツ人の友人はまだいません。早くドイツ人から“生きたドイツ語”を勉強したいと思います。
Dさん: 学校で勉強した文法に忠実なドイツ語と日常のドイツ語との違いを生活の中で勉強中です。でも今のところちょっとストレスですね。
Aさん: 語学学校と生活言葉(方言なども含めて)には大きな違いがあります。滞在先の友人のおばあちゃんにあたる人と話をする時、たまに相手の言葉がさっぱりわからないことがあるんです。辞書や教材で調べても載っていないし。私のドイツ語もそのおばあちゃんには通じなかったりして、最初はショックで話せなくなり、勉強意欲も失せかけました。でもそれが方言だと理解してからは、自分は標準語を学ぼうと割り切りました。でも私の住む街では方言だらけですけど。
Cさん: Aさんはどのくらいドイツ語学校に通ったんですか?
Aさん: 2ヶ月です。基礎のドイツ語文法を学んでしまえば、あとは単語力だけの問題だと思います。いかに単語を増やすか、です。
Cさん: 私の友達も2ヶ月の"Goethe Institut" での勉強で、今では手紙もドイツ語で書いています。その友達は南ドイツの日本人のいない街で良いドイツ人の友達を作ることができたので、その影響も大きいかもしれません。気軽に話せる環境にいることは大事ですね。
Aさん: Wohngemeinschaft に住むのはどうですか?
Cさん: Wohngemeinschaft とは?
RB: 略してWGと言います。学生さんを中心に若い人たちが共同生活をするシステムです。大学構内の掲示板などにルームメイトの募集が出ていたりします。
Aさん: Volkshochschule(注;市民大学のような所。様々な講座が格安の授業料で受けられる。)の掲示板などにもよく出ていますよ。
RB: Bさんは生活の不便などは感じていませんか?
Bさん: 沢山あります。やはり言葉の壁は大きいですね。仕事の関係上、早寝・早起きなのですが、近所のパーティーがとてもうるさくて、眠れないことがあっても直接文句を言うことができなかったり、職場の同僚(9割がドイツ人の17〜30才後半)ともトラブルが起きることがあります。言い回しが上手くできないので、自分が心底怒っている気持ちが相手に伝わらなかったり。
RB: 皆さんは旅行はなさっていますか?
Bさん: 仕事があるので、今はそれどころではありません。
Cさん: 夏に両親とハイデルベルクに行きました。今後は友達とハンブルクに行くつもりです。デュッセルドルフではあまりないことなんですが、南ドイツへ行くとよく現地の人から話しかけられたりします。人も親切な気がするのですが。
RB: Aさんはもうすぐ帰国なので、できるだけドイツを旅したいとおっしゃっていましたね。
Aさん: 今回は、このデュッセルドルフが最終地なんですが、北ドイツを旅してきました。ロストック、リュ−ベック、キール、それに北海のジルト島まで行ってきました。「地球の歩き方」 をもとに周ったのですが、強行日程だったので、地元の人達とついおしゃべりをしていて観光の時間が少なくなってしまいました。
RB: 旅行に役立つ、Aさんお奨めの優れものは何でしょう?
Aさん: 何と言っても"Bahn Card"です。これがあれば、長距離列車の切符も半額になります。片道100km以上の切符は4日間有効で何度でも途中下車してかまいません。ドイツを南北に縦断しても交通費が2万円を越えませんからかなりお得です。通常は140ユーロですが、26才以下で学生証を認めてもらえれば70ユーロで購入できます。
もう一つはJugendherberge(ユースホステル)の利用です。修学旅行など大きな団体とぶつかってしまうと厄介なので、事前に予約を入れておいたほうが確実です。実際に別のユースホステルで断られ、まわって来たというサイクリング旅行者に会ったことがありますから。また、予約の際に一言「ドイツ語を勉強中なので、ドイツ人かドイツ語圏の人と同室になりたい。」と伝えておくといいですよ。どうもアジア人同士、日本人同士と同じ部屋にまとめられがちのように思いますので。あとシーツが有料のユースホステルが多いので、旅慣れている人の中にはシーツ持参の人も結構います。
RB: これから旅行したい方にとって、有意義なお話を聞くことができました。
今日はありがとうございました。ドイツとの間にワーキングホリデー制度が取り入れられてまだ日が浅いので、皆さんがパイオニアなわけですね。どうぞ頑張ってください。


このような形で2時間があっという間に過ぎました。ワーキングホリデー制度がドイツとの間に結ばれ、デュッセルドルフでも多くの若者を見かけるようになりました。彼らがドイツで有意義な1年を過ごし、その経験が、これからの人生の糧となることを願ってやみません。

今回の座談会では、参加してくださった皆さんがかなり率直に語ってくれたのではないかと思います。
協定が結ばれて日も浅いことから、「労働日数90日間」の解釈やアルバイトと就職の境界線、制度の利用方法といった根本的な疑問が多く出ました。また住居の決め方、語学学校の選び方といった具体的な事柄も実例が少なく、受け入れるドイツ側にサポートする機関が整っていないので、情報を集めにくいという問題点も指摘されました。その中で頑張っていらっしゃる皆さんを応援したいと思います。

 

 

 

 

 

 

                     
                     

Info bei:  info@rheinbruecke.de
Rheinbrücke e.v.,  Friedrich-Ebert-Str.45,  40210 Düsseldorf,  TEL: 0211-363067