Karnevel (カーニバル) ※2006年作成

"Karneval"とは、日本語では「謝肉祭」の意で、ドイツ語では "Fastnacht"、"Fasching"など様々な呼び名で呼ばれます。

キリストの復活祭(イースター)の46日前(平日40日と6回の日曜)が "Fastenzeit"(断食期間)の初日である"Aschermittwoch"(灰の水曜日)です。カーニバルのお祭りが行われるのはその前の6日間で、"Weiberfastnacht"(木曜日)から"Fastnacht"(火曜日)です。
しかし、実際にはカーニバルの幕開けはその数ヶ月前の11月11日11時11分で、カーニバルの締めくくりはFastenzeitの初日であるAschenmittwochです。
 ライン川周辺では、デュッセルドルフの他にケルン、マインツのカーニバルが規模が大きく有名です。


仮装した人々

カーニバルの語源

カーニバルのスケジュール

デュッセルドルフのカーニバルの歴史

カーニバルのお菓子

各地のカーニバル

カーニバルとイースターの関係

 


カーニバルの語源

カーニバルの語源には諸説ありますが、"Carne vale!"(肉よ万歳!)からきているという説が一般的になっているようです。一方で、語源はラテン語の "Carrus navalis"で、その意味はドイツ語で"Shiffkarren"(春と豊穣の女神達が乗る箱型の乗り物)という説もあります。ドイツではこれを重んじて、毎年パレードには船の山車があり、それにPrinzとPrinzessinが乗っているそうです。

もともとカーニバルとは、キリスト教以前に遡る、春の到来を祝い、豊穣・多産を祈るゲルマン民族のお祭りだったそうです。1091年にイースター前の断食期間(Fastenzeit)が宗教会議で制定されることにより、それまで地方によりばらつきのあったカーニバルの暦がほぼ統一されました。Karnevalは今日でもキリスト教の公な行事ではなく世俗的な行事です。各地で宗教に関係なく多くの人が祭りに参加し楽しむことが出来るのもその所以です。
(現在でもごくわずかですがプロテスタントの影響を強く受けた地域では"alten Fastnacht"、
"Bauernfastnacht"の呼び名で独自の日程で行われています。)

【カーニバルの呼び方いろいろ】
デュッセルドルフ及びケルンでは"Karneval"、南ドイツ、ザクセン、スイスでは"Fastnacht"、バイエルン、チューリンゲン、ブランデンブルク、オーストリアでは"Fasching"と呼ばれています。


カーニバルのスケジュール 

1)Hoppeditz:

デュッセルドルフのカーニバル開始宣言は、前年の11月11日11時11分に行われます。Altstadtの市庁舎前で、市長よりカーニバルの精 "Hoppeditz"の目覚めが宣言されます。
このHoppeditzはカーニバルの後、「灰の水曜日」に火葬され、翌年の11月11日に目覚めるまで眠りにつきます。キリスト教に深く根付いた生活の中では11という数字がもともと道化を意味します。(モーゼの10戒、12使徒から1〜10と12は意味深い数字とされている)。
"Elfter im Elften"はライン地方のカーニバルの開始の合言葉ともいわれます。

2)Karnevalに向けて


クリスマス関連のお祝いである1月6日のDreikönige(主の公現の祝日)の後、KarnevalのPrinz(プリンス)、Prizessin(プリンセス)が大衆に姿を見せ、再びKarnevalの到来を告げす。
KarnevalssitzungまたはKarnevalssessionと呼ばれる仮装パーティや、Maskenbaelleと呼ばれる仮面舞踏会は1月6日以降各地で盛んに催されます。孔雀の羽を帽子につけ独特なコスチュームのPrinz、豪華なドレスをまとったPrizessinはここでもヒーローです。


Karnevalssitzungの様子

<カーニバルのKönig>
デュッセルドルフには、Karneval Vereinがいくつもあり、毎年そのVerein全体の中から一人、Prinzが選ばれます。そして、PrinzessinはPrinzによって選ばれるそうで、よってPrinzessinはその年によりPrinzの奥様だったり、姉妹、いとこだったり、お友達だったりするのだそうです。 

 <Karnevals-Prinzessin 2006>
毎年選ばれるカーニバルのプリンスとプリンセスですが、これは1928年以来、第二時世界大戦期を除いて
続いています。 デュッセルドルフのプリンセスだけは何故か "Venetia"という名前がついています。
ちなみに、今年のKarnevals-Prinzesssinは、 Gerresheimに住むRecarda Dünnwaldさん(36歳)。彼女は、小さい頃からカーニバルをとても身近に感じていて、Prinzessinになるのは夢だったそうです。彼女は、Düsseldorfer Karnevals-Prinzessin Venetia Ricardaとして、3月1日のAschermittwoch(灰の水曜日)まで活躍されます。


カーニバルのPrinz

 


3)Karnevalの本番 

6日間(木曜日・Weiberfastnachtから火曜日・Fastnachtまで)の期間中、初日の木曜日・中日の日曜日・最終日の火曜日の三日間を"Tolle Drei Tage"といい、もともと盛大に祝われる日でした。1823年ケルンで月曜日(Rosenmontagバラの月曜日または4番目の大切な日という意味で"Der vierte tollen Tag"ともいわれる )も大きく祝われるようになってからは街によってばらつきが出来、デュッセルドルフやケルンでは木曜・日曜・月曜、Krefeld、Mönchengladbachなどでは木曜・日曜・火曜日に盛大なお祭りがおこなわれます。

・木曜日 Weiberfastnacht(女のカーニバル)

女性無礼講の日ともいわれています。もとは市場の女性達がこの日一日だけ、市長から鍵を取り上げて市を治めるというものでした。現在では、11時11分にAltweiber(Weiberは女性を指す言葉)と呼ばれる黒い衣装を着た女性達が市長から鍵を取り上げ市庁舎を占領します。また、この日には女性は男性のネクタイをハサミで切り、キスをしてもよいことになっています。男性は服装に注意が必要です。
デュッセルドルフではほとんどのお店が午後は休業し、一部の人は仮装してAltstadt へ繰り出します。徐々にカーニバルムードも高まってきます。
地方により呼び名も様々でWuscheltag(Basel)、kleine Fastnacht(上ライン川)


楽しげに踊る女性達

・金曜日:
祈りをささげる日とされカーニバルの催しは一般的には催されず、特別な呼び名もありません。


・土曜日:"groten fastelavendsavend"または"schmalziger Samstag"
お祭りの前日で特別に大きな催しはありませんが、地域によって異なります。


・日曜日:"Fastnachtssonntag"
"
Schutteldach"(Aachen)、"Narrenkirchweihtag"などKarnevalzugと呼ばれる山車や仮装行列もところどころで開催されます。

・月曜日: Rosenmontag(バラの月曜日):

デュッセルドルフ市内は休日となり、赤ちゃんから老人まで思い思いに仮装して街へ出かけます。語源は"rasender Montag"(気の狂った月曜日)といい、カーニバルは最高潮に達します。趣向を凝らし苦心して作り上げた大きな山車や、仮装した音楽隊達が次から次へとをパレートをします。山車には政治家や経済を皮肉ったものが多く、山車の上の人々は「Helau!」と叫びながらお菓子等をばらまきます。
始めから終わりまで見たら3時間はかかるこのパレードですが、毎年大勢の観光客がやってきます。いつもはハメをはずしそうに見えないドイツ人達も、寒く暗いドイツの冬を吹き飛ばそうとするかのように大はしゃぎ。「堅い」イメージのあるドイツ人に対する見方が変ること間違いなしです!


Zugの上からお菓子を投げます


4)Karnevalが終わって

・Aschermittowoch(灰の水曜日)
カーニバルが終わり、この日から復活祭前日まで、46日間にわたる断食節に入ります。この日デュッセルドルフではカーニバルの精 Hoppeditzが火葬されて灰になります。この日も仮装をした多くの市民、特に女性が墓地に集まり涙でHoppeditzに別れを告げます。



デュッセルドルフのカーニバルの歴史
 
15世紀には既にHerzog Adorfが、Burgplatzにあった居城にゲストを招き、舞踏会(仮装会)を開いていたことがわかっています。 詩人のHeinrich-Heineも、ロウソクの火が灯り、色とりどりの衣装を来た人々が踊る様子を詩にして献上しています。
18世紀後半には一般市民たちも風変わりな衣装を着てお祭りさわぎを始めました。1825年2月14日に、初めてカーニバルのヒーローがお伴を連れて道を練り歩いたのがデュッセルドルフのRosenmontagzugの始まりと言われています。(2000年は175周年記念でした)
 現在では、毎年様々な趣向を凝らしたRosenmontagzugが約65台も作られ、デュッセルドルフ市内を行進し、カーニバルは最高潮に達します。
  カーニバルには毎年モットーが掲げられています。ちなみに2006年のモットーは"Nit Quake-make"で現代ドイツ語では"Nicht quatschen, machen"と訳され、「あれこれ言わずにやろうよ!」という意味です。

【地域のカーニバル】
日本人学校のあるOberkassel地区では、Rosenmontag前日の日曜日にカーニバルの行列が行われます。毎年、日本人学校の2年生が参加するのが恒例で、お母さんの手作り衣装に身を包んだ子供達がパレードします。



カーニバルのお菓子

Faschingskrapfen (ベルリーナ)

いつもパン屋さんで見かけるベルリーナ、日本で言うならばジャム入りドーナツで、ドイツではカーニバルの時期に特に目にします。これは、ウィーンのパン職人であるCaecillia Krapfen が、中にジャムを詰めたイースト入りの生地を油であげ、周りにお砂糖をまぶして作ったのが始まりといわれています。それで、彼女の名前をとり、そのお菓子をKrapfenと名づけました。

1900年代に若い女性が、若い男性にKrapfenを半分あげたところ、お互いに恋に落ちたというエピソードも隠されています。しかし、今ではそのエピソードは忘れられ、ただカーニバルのお菓子として知られています。

またこのお菓子、地方によって色々呼び名があります。バイエルン及びオーストリアでは"Krapfen"、ドイツ南西部では"Küchle"、東ドイツでは"Pfannkuchen"、ヘッセンでは"Kreppel"、その他のドイツ及びスイスでは"Berliner"などです。
他にも"Mutzenmandel"(アーモンド型のミニドーナツ)や"Mutzenblätter"(揚げたパイ生地)などの揚げ菓子があります。

 



各地のカーニバル

<ライン川エリア> 
ライン川沿いの街ではデュッセルドルフと並んで有名な大きなカーニバルです。
・ケルン :掛け声は"Alaaf(アラーフ)!" カーニバルソングも雰囲気もデュッセルドルフとちょっと違う。
・マインツ: 掛け声は"Helau(ヘラウ)!"  デュッセルドルフと違うお国訛り、地方色が味わえる。
<南ドイツ>
フィリンゲンVillingen 歴史を感じるコスチューム、マスク。
<バーゼル(スイス)>
プロテスタントの影響の強かったこの街はAschenmittwochのあとにKarnevalがやってきます。
<ベネチア> 
ベネチアマスクをつけた独特な衣装で有名。1797年ナポレオンによりカーニバルが廃止され、200年後の1979年に再び行われるようになりました。
<テネリファ
 (カナリア諸島)>
ヨーロッパのリオ・デ・ジャネイロと呼ばれています。
<ニース>
南仏の花と香りのパレード


 

毎年日程の変わるKarnevalとOsternの秘密

ヨーロッパの暦はキリスト教の暦Weihnachtsfestkalender(クリスマスカレンダー)とOsternfestkalender(復活祭カレンダー)から出来ています。
Weihnachtsfestkalenderは12月25日のクリスマス誕生に基づいたカレンダーで毎年変動はありません。これに対し、Osterkalenderは変動するOstern(復活祭)に基づいているためOsternを基準に数える行事や祭日は毎年違う日にやってきます。Karnevalはその良い例です。カトリックの影響の強い地域とプロテスタントの影響の強い地域で差はありますが、Osternfestkalenderについて2006年を例に挙げて紹介します。

<2006年Osternfestkalender>

2月23日(木):
Altweiber Karneval初日
2月28日(火):
Fastnacht Karneva最終日
(以下ローマ・カトリックに基づく)
3月1日(水):  Aschenmittwoch 復活祭前46日目。Fastenzeit(40日の断食節)の初日
4月9日(日): 
Palmsonntag 復活祭1週間前この日から15日をKarwocheと呼ぶ
4月11日(火): 
Fastenzeit 最終日 Aschenmittwochから40日目
4月13日(木): 
Gruennerstag 洗足木曜日
4月14日(金): 
Karfreitag(祭日) キリスト磔刑、死を悼む日。
4月16日(日):
Ostersonntag(祭日 ) 春分後最初の満月の後の日曜日(325年宗教会議)
4月17日(月):
Ostermontag (祭日)
4月23日(日): 
Weisser Sonntag 16世紀より子供たちのErstkommunionが行われる
5月25日(木):
Christi Himmelfahrt(祭日)  復活祭後40日目。(370年より)
6月4日(日):
Pfingstsonntag (祭日 ) 復活祭後7週間後。過越の祭り。ユダヤ教に起源。
6月5日(月): 
Pfingstmontag (祭日) 収穫された麦を祭壇に供える。
Pfingstenの語源はFuenfzig(50)イースター後50日を意味する。
6月11日(日):
Dreifaltigkeitssonntag 三位一体の日 復活祭後8週間後。
6月15日(日): Fronleichnam 聖体の祝日 復活祭後9週目の日曜。 教会の聖遺物箱のProzession(祭礼行列)がおこなわれる。
復活祭関連の最後の大きなお祭り。ケルン、リエージュは特に有名
6月23日(金)
Herz-Jesu-Fest  復活祭後10週目の金曜。歴史も浅く特に一般的ではない